■「十分な情報提供」活用の鍵
東京証券取引所が6月に導入したコーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)は「上場会社は独立社外取締役を少なくとも2人以上選任すべきである」と明記している。6月の株主総会シーズンが終わり、実際に独立社外取締役を2人以上選任している企業は全体の93%に達し、同原則への順守が進んでいることがわかった。
独立社外取締役を2人以上「選任していない」と回答したのは8社で、うち5社は今後2人以上選任する考えがあるとした。
社外取締役の有効な活用は、日本の企業統治改革の重要な柱といえる。社外取締役にどのような役割を期待しているか(2つまでの重複回答)を聞いたところ、「取締役会の監督機能の強化」が48%と最も多く、「事業戦略への提言や助言」が39%で続いた。
ただ社外取締役を迎え入れても、“仏つくって魂入れず”になっては意味がない。実際、大塚家具や東芝では複数の社外取締役がいたにもかかわらず、経営権をめぐるお家騒動や利益水増し問題を回避することができなかった。