2015.9.7 23:44
記者会見する経団連の榊原定征会長=7日午後、東京都千代田区【拡大】
首都圏にある私立大就職課の担当者は「経団連加盟企業でも、解禁以前に面談と称して、役員面接を行い、内々定や合格といった表現で、事実上の内定を出している」と、実態を明かす。また、大手就職情報誌の調査では、8月1日時点で内定を獲得している学生が6割に達するなど、就活の8月解禁は形骸化しているのが実情だ。
さらに中小企業では、他の大手企業に内定が決まったため「内定を辞退します」という学生からの通告が8月中旬以降、急増した。人事担当者は「いかに採用人数を確保するか」に頭を悩ませている。中小企業が多く加盟する日本商工会議所の三村明夫会頭は「真面目にやったところが損をして、しわ寄せが中小企業に来るというのは看過できない」と語る。
榊原会長は就活の8月解禁について「就活期間がより短くなり、理系学生や帰国する留学生にとってはメリットがある」と強調する。来年も現状維持を基本路線に検討が進む見通しだ。ただ、経団連加盟企業の“抜け駆け採用”など、是正すべき点は少なくない。産業界がどう足並みをそろえるかが課題となる。(平尾孝)