財務省が10日発表した平成27年上半期(1~6月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は8兆1835億円の黒字だった。黒字は2半期連続で、黒字幅は東日本大震災前の22年下半期(9兆5692億円)以来となった。
輸出から輸入を差し引いた貿易収支は4220億円の赤字だった。原油安に伴う輸入額の減少や海外景気の回復を背景にした輸出の持ち直しで、赤字幅は前年同期(6兆2014億円)から大幅に縮小した。
旅行や輸送などのサービス収支は8723億円の赤字で、赤字幅は前年同期(1兆4924億円)から縮小。旅行者のお金の出入りを示す「旅行収支」と「知的財産権等使用料」が半期として比較可能な8年以降最大になったことが寄与した。旅行収支は訪日外国人による消費の拡大で5273億円の黒字だった。
海外投資から得られる利子は配当を示す第1次所得収支は10兆5114億円の黒字となり、比較可能な昭和60年以降で最大になった。
6月単月の経常黒字は5586億円で、12カ月連続の黒字となった。