5日は、ギリシャで欧州連合(EU)が求める緊縮財政受け入れの可否を問う国民投票が行われる。EUは民主主義による選択を尊重し、解決に本腰を入れると期待できる。対照的に、中国の先行きはもっと不透明だ。党の手でバブル化させた巨大な株式市場を制御できない。市場危機の世界への衝撃はギリシャ以上に深く、長引くだろう。
ハンマーと鎌は中国共産党の記章、そのハンマーが株価を打ち砕き、鎌が人民の肉をそぐ。先週、中国語のウェブサイトに流れた風刺画は言い得て妙だった。
2008年9月のリーマン・ショック後、党中央は中国人民銀行が創出する資金を不動産開発に振り向け、不動産ブームを演出した。ところが、習近平氏が党トップの座についた12年秋から相場が下落し始めた。公式発表の国内総生産(GDP)実質伸び率は前年比7%前後の水準で推移するが、代表的な物流指標、鉄道貨物輸送量は昨年から下落し続けている。モノは動かない。