【経財論】日本社会に新しい風を吹き込む (1/3ページ)

2015.6.8 05:00

 □女性初の経団連審議員会副議長・女性の活躍推進委員長 吉田晴乃氏

 2日に経団連の審議員会副議長に就任した。女性の活躍推進委員会の委員長を務める。最初、話を聞いたとき、このような大役を私が引き受けてよいのか迷ったが、父に「名誉ある捨て石になれ」と言われ、肩の力が抜け、自然体で引き受けることにした。これまで生きてきて、女性の活躍推進について、これほど大きなモメンタムを感じたことはない。まず、私が副議長に選ばれたということ自体が、経団連が大きく変わったことを示している。これまでにない新しい風を日本の社会に吹き込めればと思う。

 ◆ダイバーシティは経営戦略

 経団連は、女性の活躍を、少子高齢化が進むなかで日本の経済を持続させるための重要な成長戦略であると同時に、企業の経営を左右する重要な経営戦略と捉えている。グローバル化の時代、同じような人間ばかりの組織では新しい発想が生まれず、マーケットや経営環境の目まぐるしい変化についていけない。企業は組織の多様性=ダイバーシティを高めることにより、競争力を強化していかなければならない。

 そこで、昨年4月に公表した「女性活躍アクション・プラン」で、経団連自身が取り組む5つのアクション・プランを掲げた。その一つとして、経営トップの本気度を示すため、全ての会員企業に「女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画」の策定をお願いしている。現在、会員企業の3分の1にあたる444社が、野心的な行動計画を経団連のウェブサイトに公開している。その数は着々と増えており、自主行動計画をきっかけとして初めて女性活躍推進の計画を立てた企業や、もともとあった目標をよりレベルの高いものに見直した企業もある。着実に企業の女性の活躍が進んでいることを実感し、心強く思っている。

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