安倍晋三首相は4日、東京・元赤坂の迎賓館でフィリピンのアキノ大統領と会談し、南シナ海で岩礁埋め立てを加速する中国をにらみ、安全保障分野の協力を強化することで一致した。
首相は会談後の共同記者発表で中国を念頭に「南シナ海の問題では、大規模な埋め立てを深刻に懸念し、いかなる一方的な現状変更の試みにも反対することを改めて確認した」と述べた。
これに対しアキノ氏も「平和的な解決策を見いだし、法の支配を堅持することで安定した環境を作り出せる」と同調した。
共同宣言には、防衛装備品・技術移転協定の締結に向けた交渉開始とともに、日本がフィリピンによる巡視艇調達や同国沿岸警備隊の能力強化に協力することが盛り込まれた。
経済分野では、総額約3000億円の鉄道事業を含むマニラ首都圏の交通インフラ整備で協力することなどを約束した。