【高論卓説】超高層ビル退けた「ルール」は健在 田部康喜 (1/2ページ)

2015.5.1 05:00

 東京は2020年五輪を目指して駆けるように、街並みが大きく変貌しようとしている。

 銀座のソニービルの地下のバーで友人がシャンソンを歌っているというので、仲間と待ち合わせて乗り込もうじゃないか、ということになった。さて、旧東芝ビルも建て替え工事中だし、日産ショールームも同様で、場所の位置関係に戸惑って待ち合わせ時刻に遅れてしまった。目印となるビルがこれだけ建て替えの工事中なのは最近のことである。

 来年11月の完成を目指している「銀座6丁目10地区」再開発は、旧松坂屋銀座店を核として2つの街区を統合する大規模なものである。

 松坂屋と再開発の企画を担った森ビルが2003年に策定した当初案は、約190mの超高層タワーで低層階に店舗、中層階にオフィス、高層階は住宅、さらにその上にホテルをつくる、というものだった。14年4月の着工計画では、大幅に変更されて、銀座の街並みとそろった地上13階建てとなった。文化施設として能楽堂も入る。

 この大規模再開発がきっかけとなって生まれたのが、「銀座街づくり会議」である。超高層ビルの構想はあらためて、銀座とはどのような街なのかという問題を突きつけた。そして、人々をひきつけ続けるためにはどのような街づくりを進めなければならないのか。

 銀座の祭りなどを歴史的に担ってきた、銀座通連合会が1998年に制定した「銀座ルール」は、建物の高さをそれまでの31メートル(100尺)から56メートルとした。この高さはたまたま当時、建て替えの予定だった資生堂パーラービルの計画で、それが銀座にふさわしいと考えられたからだ。

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