自動車盗難防止対策の強化に向け、政府は国内向けの新車に盗難防止装置「イモビライザー」の装着を義務づける法制化の是非について検討に入る。自動車の盗難防止をはじめ、盗難車を使った強盗や交通事故の減少につながる効果があるとみられ、法令で装着が義務づけられている欧州連合(EU)諸国やオーストラリアなど海外の事例を参考に議論を進める方針だ。
イモビライザーは車の鍵に内蔵された電子チップの認証コードを読み取る装置。専用の鍵でないとエンジンを動かすことができないため、自動車の盗難防止に効果があるとされている。
1990年代に全ての新車に装着が義務化された欧州では、イモビライザーの普及率はほぼ100%で、自動車の盗難は導入前のピーク時のほぼ半分に減少した。日本では高級車を中心に普及が進んだが、日本自動車工業会の2013年の調査によると国内向けに生産された180車種のうち標準装着や一部標準装着、オプション装着の車種は158車種。同年に国内向けに生産された自動車420万台のうち装着車は340万台で、普及率は約80%となっている。