南米ニカラグアでは昨年末、中国の大富豪が率いる企業集団による太平洋と大西洋を結ぶ全長約280キロに及ぶ運河建設が始まった。2019年の完成を見込むみ、完成後は最長100年間の運営権を握る。
投資規模は500億ドルニカラグアの国内総生産(GDP)の約4倍以上で多大な雇用創出効果を生む可能性がある。しかし、それと引き換えに生態系が寸断されかねず、環境破壊への懸念から反対意見があがっている。運河の総延長はパナマ運河の3倍以上に及ぶ。
昨年2月、AFPは英国の自然保護論者で著名な人類学者のジェーン・グルード博士インタビューを報じた。グルード博士は「アフリカで中国がしていることは、旧宗主国がしたことと同じ。経済成長のために原材料を求め、貧困を悪化させる」と指摘。乱開発と貧困に警鐘を鳴らした。英国やドイツなどAIIBに参加を表明した欧州諸国には、中国マネーに目がくらむことなく、調和のとれた開発を担う先導役なってほしいが…。