2015.4.6 05:00
汚水・ごみ処理事業を手がける中国水業集団傘下の深セン市利賽実業発展が建設したごみ埋め立て地で発生するバイオガス(ランドフィルガス)の天然ガス化処理施設がこのほど、稼働を始めた。生活ごみ埋め立て地に発生するガスの悪臭を抑制、“宝”と変える試みだ。
事業が行われているのは広東省深セン市羅湖区や福田区、塩田区の一部にかかる埋め立て地で、生活ごみを毎日4000トン処理している。同事業ではランドフィルガスを処理した天然ガスを年間で4500万立方メートル生産し、総生産高を1億2000万元(約23億1840万円)とする予定で、年間80万トンの炭素排出量が削減できる見込みだ。
事業ではランドフィルガス中の主成分であるメタンガスに含まれる二酸化炭素(CO2)や酸素(O2)、硫化水素(H2S)などの気体を分離させ、中国政府の基準に適合する工業用・民間用天然ガスを採取する。試運転開始以降、同事業ではランドフィルガス3億5000万立方メートル超を採取し、延べ250万トンの炭素排出量を削減した。これらの数字は全国でトップ。利賽実業は2005年から、この埋め立て地でランドフィルガス収集総合利用事業を開始。天然ガス化処理施設は14年に着工した。同種の事業としては国内最大規模で、事業が成功すればランドフィルガスの天然ガス化事業のベンチマークになるとみられている。(中国新聞社)