今年の春節(旧正月)は例年よりも遅めの2月19日。中国の人々にとっては待ちに待った7日間の大型連休だ。この休みを利用して海外に行く旅行者も、記録的な数になりそうである。国内では厳しい倹約令が敷かれていて、お金を持っていても贅沢(ぜいたく)はご法度。だがいったん海外に出てしまえば、周囲の目を気にする必要はないので、思い切ってブランド商品などの奢侈(しゃし)品を買える。お上へのささやかな抵抗とも言えようか。
奢侈品の研究・コンサルティング機関である財富品質研究院が発行した「中国奢侈品報告」(2014年版)に、興味深いデータが載っている。昨年の中国国内での奢侈品消費は250億ドル(約2兆9600億円)で、前年比11%もの減少となった。習近平政権の下で展開されている倹約運動をみれば、この数字は十分に納得できよう。
ところが中国の消費者は国外では、810億ドルもの奢侈品を購入している。全世界の奢侈品消費は2320億ドルなので、中国人は国内分を合わせると、全世界の46%の奢侈品を購入していることになる。13年は47%だったので倹約令の影響が多少出ているともいえるが、それでも世界の半分近くの奢侈品を買いまくっていることに変わりはない。