ミャンマーで邦人向け診療 日本の民間医療機関進出が本格化 (1/3ページ)

2015.2.12 06:39

日本で乳がん検診の研修を受けたミャンマー人医師と、日本メーカーのデジタルX線画像診断システム。これまでは医療機器や設備を提供してきたが、日本人医師が常駐するクリニックが開設される=ヤンゴン中央婦人病院

日本で乳がん検診の研修を受けたミャンマー人医師と、日本メーカーのデジタルX線画像診断システム。これまでは医療機器や設備を提供してきたが、日本人医師が常駐するクリニックが開設される=ヤンゴン中央婦人病院【拡大】

 日系企業の進出が進むミャンマーで、日本の官民による医療進出が本格化する。民間では愛知県一宮市に拠点を持つ社会医療法人大雄会(伊藤伸一理事長)が最大都市ヤンゴンに、日本の医療機関としては初めて日本人医師が常駐するクリニックを開設する方針を決めた。また、国際協力機構(JICA)もヤンゴンや地方都市で公立病院の建て替えなどを進めている。日本の医療機器や設備の提供にとどまらず、人材育成を含めてミャンマーでの医療の底上げを図る。

 言葉の不安解消

 大雄会は、ヤンゴン国際空港に近い民間のビクトリア病院の中に、地元資本と合弁で日本人向けのクリニックを開設する計画だ。クリニックには日本人医師と看護師それぞれ1人を常駐させ、在留邦人や日本人観光客などの診療を行う。ミャンマー保健省などとの最終調整を経て、遅くとも「2015年度中には新クリニックを開設したい」(伊藤理事長)としている。

 大雄会が進出を決めたのは、日本語で安心して診療や治療が受けられるようにするためだ。東南アジアでは、在留邦人が多いシンガポールやタイ・バンコクなどには日本人医師が常駐する医療機関がある。大雄会では経済発展が進むヤンゴンには、今後も観光客も含めて滞在する日本人が増え、医療ニーズはさらに高まるとみて、クリニック開設を決めた。

ミャンマーは公的医療保険がないこともあって…

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