「2025年問題」という言葉が話題となっている。団塊世代が大病を患いやすい75歳以上となり、医療・介護費がかさむとの懸念である。
だが、より深刻なのは2042年だ。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、高齢者人口が3878万人でピークを迎える。これに対し、勤労世代である20~64歳は2025年に比べて1345万人も少ない。
第3次ベビーブームは到来しなかったのに、団塊ジュニア世代が高齢者となるのだから当然だ。
2042年以降も高齢化率は伸びるが、高齢者向け施策は人数が一番多くなる同年に合わせて対策を進めなくてはならない。社会コストは大きくなるだろう。小欄はこれを「2042年問題」と呼ぶこととする。
「2042年問題」の厳しさは、貧しい高齢者が増えることにもある。就職氷河期と重なった団塊ジュニア世代には、思うような職に就けなかった人も多い。低年金や無年金者が増大するとの予測だ。昨今の未婚者が年を重ね、独居高齢者もさらに増える。