湖北省荊州市の警察当局は先ごろ、中国各地へ粗悪なエレベーターを(有名メーカーの商標を無断で使用して)ブランド品と偽り、総額約2200万元(約4億2570万円)分製造販売したとして、容疑者11人を逮捕した。この事件をきっかけに、エレベーターの安全性問題に再び注目が集まっている。
中国では、エレベーターが突然落下したり、人が閉じ込められる事故が、都市化が進みエレベーター保有台数が増えるに従い、たびたび発生。今年9月には福建省にある華僑大学厦門(アモイ)キャンパスで、男子学生がエレベーターのかごに挟まれ窒息死した事故が報じられた。
エレベーター事故に関するこれまでの調査によると、中国では「製造時の欠陥」「老朽化」「形式的な保守点検」が事故の3大原因だが、現在は「粗悪な偽エレベーター」も主原因の一つといえる。エレベーター製造には高い技術が必要だと考えがちだが、事件関係者によると、少しの組み立て技術があり、必要な部品を全て市場でそろえてしまえばエレベーターの“製造”ができる。関係者は「エレベーター作りは戸棚を作るのと同じ程度のことだ」と語った。