吉川洋・東大大学院教授に聞く 社会保障維持へ10%判断を (2/2ページ)

2014.10.30 05:00

 --増税を延期した場合のリスクは

 「地方経済の回復の遅れなど景気を重視するのは分かるが、消費税の引き上げ判断では足元の景気動向に拘泥すべきではない。景気回復を待ってから財政の外科手術をすればいいというが、当時の金融危機に当たるのが今の財政だ。消費税増税を延期しても、その際にまた、景気に配慮する付帯条項がついて、永遠に増税を先延ばしする議論の入り口でしかない。財政再建に正面から取り組まなければ、金利急騰など市場リスクに手は打てない」

 --物価上昇と消費税増税で家計の負担は増している

 「消費税を払うことは国民が医療や介護などのサービスを買うことだ。個人情報を1つの番号で管理するマイナンバーの導入を踏まえ、社会保障の仕組みを分かりやすく記した『社会保障手帳』を配ってもいい。消費税増税を機に、社会保障制度を皆で支え合い、より良くするための国民的な議論を本格化するべきだ」

                  ◇

【プロフィル】吉川洋

 よしかわ・ひろし 東大経卒。1996年、東大大学院経済学研究科教授(現職)。2010年4月から財政制度等審議会会長。東京都出身。63歳。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。