小渕優子経済産業相=衆院群馬5区=は20日朝、安倍晋三首相と首相官邸で会い、自身の関連する政治団体が支持者向けに行った「観劇会」の費用の収支が食い違っているなど不適切に支出した疑いが指摘されている問題の責任を取って辞表を提出した。
首相は問題の長期化は国政の停滞を招くと判断し、受理した。首相はあわせて、うちわ配布問題を抱える松島みどり法相=衆院東京14区=も更迭する方向で調整に入った。首相は9月の内閣改造で女性登用方針を象徴する人事として女性5人を閣僚に起用したが、わずか約1カ月半で2人がつまずく異例の事態となった。
平成24年12月に発足した第2次安倍政権で任期途中の閣僚辞任は初めて。小渕氏の経産相起用は安倍政権の“顔”としての目玉人事だっただけに、「政治とカネ」の問題で辞任に追い込まれたことは、首相にとって大きな痛手となった。