2014.10.3 05:27
後継者不足に悩む中小企業を支援しようと、政府は2日、経営に意欲的な起業家を登録して両者を橋渡しする「後継者人材バンク」の創設を決めた。円滑な事業承継や新事業への転換を進めてもらう狙いだ。全国14カ所の「事業引き継ぎ支援センター」で今年度中に順次始め、将来は各都道府県での展開を目指す。
人材バンクは、各都道府県の地銀や商工会議所が開く起業セミナーなどで、登録を呼びかける。登録者の意向と、後継者を求める中小企業経営者の要望が一致した場合、支援センターが両者を仲介する。4月から、静岡商工会議所が設置した支援センターで試験的に実施されている。
支援センターは、産業競争力強化法に基づいて国が商工会議所などに委託し、運営されている。ホームページで事業の譲渡希望者の情報を開示したり、事業承継についての無料相談を行ったりしている。人材バンクが創設されることで、円滑な事業承継をより支援できる態勢が整う。