鶴岡公二TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)首席交渉官は1日、交渉官会合に出席するため、ベトナム・ハノイに向けて出発した。年内の大筋合意に向け参加各国は交渉を加速させたい考えだが、知的財産や国有企業など各国の意見の隔たりが大きい分野を中心に議論は難航する見通しだ。
鶴岡氏は、出発前に羽田空港で記者団に「困難な技術的、政治的課題の整理と交渉自体の進展に向けて精力的に交渉する」と意気込みを語った。
交渉が難航している環境や国有企業、知的財産の3分野については、「まだまだ十分な各国間の調整が必要な課題だ」と指摘。交渉妥結に向けた今後の見通しについては「今回が最終的な会合とは考えていない」と話した。
また、年内妥結に向けた閣僚会合の開催見通しについては、「ハノイでの成果によっては方向性が出てくる可能性があるが、今の段階では予断を許すような状況ではない」と述べた。
交渉官会合は同日から10日までの日程で、3日からは首席交渉官会合も開く。