安倍晋三首相は8日、官邸で産経新聞の単独インタビューに応じ、9月第1週の内閣改造・自民党役員人事について「内閣の要である菅義偉(よしひで)官房長官には引き続きやってほしい」と述べ、菅氏を留任させる考えを明らかにした。加藤勝信、世耕弘成、杉田和博の3官房副長官に加え、木村太郎、礒崎陽輔、衛藤晟一、和泉洋人、長谷川栄一の5首相補佐官も留任させることを明言した。
首相は改造の狙いを「9月に自民党総裁に就任して2年になる。その機をとらえて、新たな気持ちで新たな目標にみんなが向かうことで、さらに政策推進力をパワーアップしたい」と説明した。官房長官人事について「官房長官は政策を推進していく上で軸になる。官房長官には引き続きやってほしい。副長官も留任していただく」と語った。
閣僚や党四役への女性起用に関し「自民党には能力を持った女性陣がたくさんいるので生かしたい」と積極的に登用する考えを重ねて表明した。
民間人の閣僚登用については「基本的には国会議員の中からと思っている」と否定的な姿勢を示した。
一方、野党などから「集団的自衛権の行使容認が徴兵制につながる」との批判を受けていることについて「議論をゆがめる不真面目な対応だ。攻撃のための攻撃だ。徴兵制は憲法違反なのでやらないということを明確に申し上げている」と語った。
北朝鮮による拉致被害者らの再調査に関しては「調査の進捗(しんちょく)状況を慎重に見極めたい。その中で誠実に対応しているかどうか明らかになる」と述べた。
首相がかねて意欲を示してきた憲法改正については「国民的な関心と理解が深まらなければできない。どの条文からやるべきかも含め議論を深めたい」と述べるにとどめた。