□幸福実現党党首・釈量子
--憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認が決定したものの、反対論が強くなっています
安倍政権は具体的な事例を示すことで、真摯(しんし)かつ丁寧に議論を進めようとしたのかもしれません。しかし、「現在の安保法制では対応できない15事例のうち、集団的自衛権を認めないと対応できない8事例」だとか、「武力行使の新3要件」といった具合に細分化され、専門的な議論が進められるなかで、「集団的自衛権はなぜ必要なのか」という問題の本質が見えにくくなったのではないでしょうか。
そうした状況下、「戦争のできる国になるらしい」という空気が醸成されつつあり、社民党にいたっては「あの日から、パパは帰ってこなかった」とのコピーを掲げ、集団的自衛権に反対するポスターを発表。「自衛隊の方が亡くなることもありえるとイメージできるコピーにした」といいます。
しかし、そうした批判は、使命感を持って国防に当たる方に対して失礼ではないでしょうか。人命尊重の論理を振りかざし、自衛隊員や警察官、消防士など、危険業務に携わる方々の仕事を否定してしまってはならないと私は思います。
北朝鮮が核ミサイル保有を急ぎ、中国が虎視眈々(たんたん)と日本侵略をうかがうなか、不戦の誓いこそ平和だと考えるあまり、備えを欠いたままであれば、隣国の侵略を招き、国民の自由が奪われかねないのです。平和勢力が唱える「平和」は「隷属」を意味することを知らなくてはなりません。憲法9条をあくまで死守したい“平和主義者”の皆さんには、中国や北朝鮮にも憲法9条を導入するよう促していただきたいものです。