【オタワ=小雲規生】カナダの首都オタワで開かれている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉官会合は5日、各国の首席交渉官による本格的な協議を開始、日本からは鶴岡公二首席交渉官らが参加して知的財産保護に関するルール作りなど難航分野での調整を急ぐ。また関税の取り扱いなどに関しては、米国のワイゼル首席交渉官らとの2国間協議も行う。
鶴岡氏は同日、記者団に対して「今回の会合は年末に向けてTPPをまとめるための重要な節目。残された課題を一定のところまで進め、閣僚会合につなげることが使命だ」と意義を強調した。
その一方で、「まだ困難な課題は残されている。そういった課題を全部こなすということはやや高すぎる目標だ」とも話し、取りまとめの政治判断を仰ぐ閣僚会合の開催に向けた環境作りが困難な状況にあることも指摘した。