【中韓首脳会談】蜜月演出に透ける思惑 外交孤立回避したい中国 外交成果で政権危機探る韓国

2014.7.3 22:54

共同記者会見する中国の習近平国家主席(左)と韓国の朴槿恵大統領=3日、ソウルの青瓦台(代表撮影)

共同記者会見する中国の習近平国家主席(左)と韓国の朴槿恵大統領=3日、ソウルの青瓦台(代表撮影)【拡大】

 【ソウル=矢板明夫】習近平国家主席と韓国の朴(パク)槿恵(クネ)大統領が3日午後に行った首脳会談は、予定の1時間45分を1時間以上もオーバーして終了した。会談後、共同記者会見に臨んだ2人は「首脳会談を行ったのはこれで5回目」「実りの多い会談だった」などと強調。日中と日韓の首脳会談が実質的に中断しているなか、中韓の蜜月ぶりをことさらに誇示した形だ。

 中韓メディアによると、習主席は、これまでの外遊で最大規模となる約80人の政府高官と200人以上の企業家を同行させた。習主席は今回の訪韓で、北東アジア地域での外交的孤立を回避したい思惑が強いといわれる。韓国を懐柔して、できるだけ中国側に引き寄せ、米国主導で形成されつつある“対中包囲網”を崩す狙いがありそうだ。

 一方、韓国の朴大統領は中国重視の姿勢を前面に打ち出し、特に中国との経済関係の強化を政権の実績にしようとしている。4月に起きた旅客船沈没事故への対応などで高まる国民の不満を、外交面で成果を挙げることで払拭したい考えとみられる。

 また、最近の日朝の急接近で、中国は北朝鮮への影響力低下が鮮明になり、韓国も日朝から蚊帳の外に置かれたとの思いが強い。共同記者会見で習主席は、「南北関係の改善に向けた韓国の努力」を高く評価した上で、中国を議長とする6カ国協議の「早期再開」を改めて呼びかけた。地域問題での中韓連携をアピールし、北朝鮮の核問題への対応で主導権を取り戻したい思惑も透けてみえる。

 一方、日本との歴史認識問題に関しては、「慰安婦に関する共同研究」を共同声明に盛り込まず、付属文書への記載にとどめた。中韓は日本との対立がこれ以上深まるのを避けるため、一定の配慮を示した形だ。

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