1日に発表された近畿の路線価。都道府県別の変動率が上昇に転じた大阪では「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)の建設効果が表れ、阿倍野・天王寺地区のマンション需要にも波及している。郊外からシニア、共働き層が流入、「住みたい街」として人気も上昇中だ。御堂筋周辺でも復権の兆しがあり、地盤沈下の歯止めが見え始めた。
「駅近の価値が、ハルカス効果でぐっと高まった」。ハルカス最寄りのJR天王寺駅(天王寺区)近くに建設中のマンション担当者が語る。400戸超の大型物件だが、郊外から移り住む共働き世帯やシニア世代の夫婦を中心に購入者が相次ぎ、第1次分譲は売り出しと同時に完売した。
近年、下落が続いていた同駅周辺の路線価は昨年10・4%増と一気に上昇。不動産関係者によると、天王寺区は文教地区として人気エリアではあるが、駅周辺はかつては雑然としたイメージもあり、住宅地としては敬遠されることもあったという。