政府開発援助(ODA)大綱の見直し作業を進めてきた有識者懇談会(座長・薬師寺泰蔵慶応大名誉教授)は26日、岸田文雄外相に報告書を提出した。
安倍晋三首相が掲げる「積極的平和主義」の観点から、民主主義や法の支配の定着を重視し、各国の「海上保安能力を含む法執行機関の能力強化」を訴えた。東南アジア諸国に対する巡視船供与などが念頭にあるとみられ、強引な海洋進出を続ける中国を牽制(けんせい)している。
さらに軍支援を対象外とする方針を転換し、軍が災害救助に当たるなど非戦闘分野に限った支援も求めた。
また、「ODA大綱」の名称を「開発協力大綱」に改め、従来の目的である「貧困削減」に「持続的成長」を加えた。経済成長を経た中進国、ODA卒業国も対象とする。