フィリピンが知的財産保護をめぐる戦いを続けている。今年4月には米通商代表部(USTR)が作成する知的財産侵害の監視対象国リストから除外されるなどの成果がみられた。その一方で、1~3月期には海賊版製品などの国内押収額が四半期ベースで過去最大となる62億4000万ペソ(約145億円)に達するなどしており、同国政府は引き続き取り組みを強化していく方針だ。現地紙ビジネス・ワールドなどが報じた。
米国は通商法で著作権や特許権といった知的財産権の侵害に対する対外制裁措置に関する条項(スペシャル301条)を定めており、警戒を要する監視国を明記した「スペシャル301条監視リスト」を年に1度作成している。フィリピンは1989年に初めて同リストに登場し、94年から昨年までは20年連続で監視対象国とされてきた。
USTRはフィリピンのリスト除外について、「近年、政府による関連法の整備が急速に進み、市民レベルの意識や法の執行面で大きな改善がみられたため」と説明している。