日米など12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の首席交渉官会合は13日、ベトナム・ホーチミンで2日目の協議を続けた。難航していた「知的財産」分野では、米国と新興国の対立が解消されつつあり、著作権の保護期間は70年に統一する方向で調整に入った。関税と並ぶ難関とされた知的財産が合意に近づいたことで、交渉全体が大筋合意に向け弾みが付く可能性がある。
知的財産は映画や音楽などの著作権や新薬の特許保護期間が最大の論点で、甘利明TPP担当相は13日の閣議後の会見で「大きな対立点は解消されつつある。近々まとまってくるのではないか」との認識を示した。
交渉筋によると、著作権の保護期間については、ディズニー映画などのある米国が自国と同じ70年に統一するよう要求し、原則50年の日本やカナダなども同調。同じく50年のベトナムやマレーシアなどの新興国は著作権の使用料の支払いが膨らむことを懸念して反対していたが、新薬の特許の保護期間で米国が新興国に配慮する姿勢を示したため、歩み寄りに転じたもようだ。