【阿比留瑠比の極言御免】
25日夜にオランダで行われた日米韓3カ国首脳会談の冒頭部分をテレビで見て、韓国というのはつくづく厄介な国だなあと改めて痛感した。
それと同時にドイツの社会学者、マックス・ウェーバーの著書『職業としての政治』の中の次の言葉を連想した。ウェーバーの引用を好む政治家や政治記者が、なぜか、あまり取り上げない部分である。
「政治家にとって大切なのは将来と将来に対する責任である。ところが『倫理』はこれについて苦慮する代わりに、解決不可能だから政治的にも不毛な過去の責任問題の追及に明け暮れる。政治的な罪とは-もしそんなものがあるとすれば-こういう態度のことである」
さて、3カ国会談では、安倍晋三首相がわざわざ韓国語で「お会いできてうれしい」と語りかけたのに対し、朴槿恵大統領は返事も会釈もせず、硬い表情を崩さなかった。
イヤイヤ出てきたようなその様子は、北朝鮮の中距離弾道ミサイル発射などで緊張が高まる東アジアの「今そこにある危機」の協議よりも、70年も昔の歴史問題の方がもっと重要だと言わんばかりだった。