「東京圏」などを選定する方向で最終調整に入った国家戦略特区で、政府は、業界団体や族議員などの反対で改革への抵抗が根強い「岩盤規制」に突破口を開きたい考えだ。このため選定作業では、日本経済の牽引(けんいん)役として明確な成果が得られることを重視した。成功例を積み重ね、規制緩和の対象地域を全国に広げることができるかどうかが、安倍晋三政権の成長戦略の成否を分ける。
森記念財団の都市戦略研究所公表の「世界の都市総合力ランキング」によると、昨年の東京の順位はロンドン、ニューヨーク、パリに続く4位だった。政府は今回、東京圏を特区に選ぶことで、2020年東京五輪の開催を見据えて「人、モノ、カネ」を呼び込む動きを加速させ、首都の国際競争力強化を狙う。
関西圏は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究拠点である京都大学など先端医療技術の開発拠点を強化し、イノベーション(技術革新)の拠点に育成する青写真を描いている。