【アジアの目】インドネシアとシンガポールの歴史問題 (1/3ページ)

2014.2.13 05:00

 インドネシアとシンガポールの間で歴史問題をめぐり、緊張が高まっている。インドネシアが新しい艦船に付けた名前が、シンガポールで爆弾テロを起こしたとして処刑された、インドネシア国軍兵士の名前から取ったものだったからだ。シンガポール政府は10日から予定されていたインドネシア軍幹部のシンガポール訪問を拒否。これにインドネシア側は主権の問題として反発している。国民感情もかかわるだけに、いかに解決するのかが注目される。

 ◆片やテロ、片や英雄

 インドネシア政府は9日、シンガポールの航空ショーに参加する予定だったインドネシア国軍将校100人のシンガポール訪問を取りやめるとともに、インドネシア・シンガポール両国の国防副大臣級の戦略対話も中止されたと発表した。声明では理由に触れなかったが、インドネシアの地元メディアによると、シンガポール側が招待を取りやめたためだという。

 発端となったインドネシアの新しいフリゲート艦の名前は「ウスマン・ハルン」。この名前は1965年、シンガポール中心部に爆弾を仕掛け、死傷者を出した事件の実行犯として処刑されたインドネシア軍海兵隊兵士2人の名前からとったものだ。

 命名した事実をニュースで初めて知ったシンガポールは、今月はじめ、インドネシアに外相や国防相などを派遣、「こうした事態は古い傷を呼び起こすものだ」としてインドネシア政府に取り消しを求めた。しかし、インドネシア側は「あくまで主権の問題であり、外国の干渉は受けない」として要求を拒否、このため、シンガポールが今回の措置に踏み切った。

 シンガポール側からみると2人の兵士が行ったのは爆弾テロと映る。しかし、インドネシア側からみるとまったく異なる。

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