財務省が10日発表した2013年の国際収支速報によると、経常収支の黒字額が前年比31.5%減の3兆3061億円となり、比較可能な1985年以降で最少の黒字幅となった。経常黒字の減少は3年連続となる。また昨年12月単月の経常収支は赤字が拡大した。
輸出から輸入を差し引いた貿易収支が、前年より4兆8258億円増えて10兆6399億円と過去最大の赤字となった。原発停止により原油や液化天然ガスなど燃料輸入が拡大したうえ、半導体など電子部品の輸入も増えた。円安ドル高が続いていることで、輸入額が15.4%増の77兆6093億円へと拡大。自動車や化学製品が健闘し、輸出が9.0%増の66兆9694億円と3年ぶりに増えたが、輸入の拡大に追いつかなかった。貿易赤字は3年連続。
ここにサービス収支も含めた「貿易・サービス収支」は前年比で3兆9308億円の赤字幅が拡大し、12兆2349億円の赤字となった。こちらも3年連続の赤字。
これに対し、日本企業の海外子会社からの配当や投資収益など「所得収支」が15.8%増の16兆5318億円と過去最大の金額となった。これにより、貿易・サービス収支の大幅な赤字を吸収して経常収支の黒字を維持した。
一方、昨年12月の国際収支は、貿易収支の入超がとまらず、経常収支の赤字幅が4079億円拡大し、6386億円の経常赤字となった。貿易収支は6403億円赤字幅が拡大して1兆2126億円の赤字に。サービス収支は赤字幅が縮小したが、2324億円の赤字。所得収支は黒字幅が24.1%拡大して8843億円のプラスとなったが、貿易サービス収支の赤字をカバーできなかった。経常赤字は10月から3カ月連続。