2014.2.4 21:07
世界の株安に歯止めがかからないのは、米国などの先進国が世界の景気回復を主導するという市場の“メーンシナリオ”が揺らいできたからだ。新興国の経済不安が強まったところに、頼みの米国で景気指標が大幅に悪化し、投資家心理が急激に冷え込んだ。昨年大幅上昇した日本株の変調が鮮明になっており、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」は正念場を迎えている。
発端は、米国の製造業の景況感を示す指数や新車販売台数が3日、市場予想を下回ったことだ。これを受けて欧米の主要株価指数が軒並み下落し、4日も休場明けの香港株式市場が3%近く下げるなど、世界同時株安の様相となった。
リスク回避を目的としたマネーの流れが顕著になっている。米量的金融緩和の縮小を背景に、1月下旬から強まった新興国からの資金流出について、BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「先進国から新興国へのマネーの流れは過去、十数年にわたった経緯があり、その巻き戻しも長引く」と指摘する。
株式を売り、安全資産である日米の国債を買う動きも強まった。4日の国債市場は、長期金利の指標である新発10年債の終値利回りが前日より0・015%低い0・600%と、約2カ月ぶりの低水準となった。