中国では昨年末から、不動産バブルの崩壊を危ぶむ声が聞こえてきている。例えば12月21日、北京中坤投資集団会長で全国工商連合会不動産商会副会長の黄怒波氏は、北京市内で開かれたフォーラムの席で、スペインにおける不動産バブル崩壊を引き合いに出し「スペインの現在は中国の明日、中国で次に倒れるのは不動産業だ」と喝破した。1週間後、同じ全国工商連合会不動産商会の常任理事を務める経済評論家、朱大鳴氏の論文が多くのメディアに転載された。その中で同氏は「不動産バブルはいったん破裂したら取り返しのつかないこととなる」と述べ、今後数年は「このような事態の到来に備えるべきだ」と提言した。
中国の不動産業の中枢に身をおく2人が口をそろえて「バブル崩壊」を警告しているのだから、事態の深刻さは推して知るべきであろう。実際、昨年後半から不動産バブルの崩壊はすでに目の前の現実となりつつある。