名目GDP見通し、民間予測と隔たり 達成に疑問も

2013.12.23 07:00

 政府は2014年度の経済見通しで、7年ぶりに名目GDPが500兆円台に達する姿を描いた。だが、成長率を慎重にみる民間エコノミストとの間には大きな開きがあり、達成には疑問も残る。

 政府は、来年4月の消費税率引き上げに伴う需要の落ち込みを緩和するため、景気に即効性がある公共投資などを盛り込んだ13年度補正予算案をすでに編成。24日に閣議決定される14年度当初予算案とともに、予算の着実な執行で日本経済を支えれば、内需を中心に成長が牽引(けんいん)され、14年度も実質1.4%程度、名目3.3%程度の成長が可能ともくろむ。

 ただ、民間エコノミスト41人の平均予測の実質0.8%、名目2.3%とは大きな隔たりがある。野村証券の木下智夫チーフエコノミストは「4~6月期の落ち込みと増税によって実質所得が減るため、個人消費は弱くなる」と政府の見通しを楽観的だと分析する。

 景気を下支えする財政出動や日銀による金融緩和にも限界がある。高成長を達成するため、公共工事や補助金に頼れば、財政が一段と悪化する懸念もある。

 手詰まり感が表面化する前に、民間の活力を引き出し、企業が投資を活発にすることが欠かせない。(永田岳彦)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。