政府は、日本の国有地に建つ英国大使館(東京都千代田区一番町)の敷地について、日本保有分と英国保有分に分割する協議に入った。財務省が20日、発表した。英国が持つ借地権の割合に基づいて分割し、日本所有分の有効活用を図る考えだ。
皇居に面する英国大使館の敷地は3万5000平方メートルあり、1872年から英国に貸し付けている。現在の路線価で換算すれば700億円規模。これに対し、賃料は年間8129万円。一般の水準に比べ極めて安い状況だ。10年単位での賃料引き上げ交渉を行っているが、折り合いが付いておらず、抜本的な対策が必要になっていた。
このため、日本の持つ底地権と英国の借地権について、不動産鑑定士が鑑定、この評価をもとに敷地を日・英双方に分割する。現在のこの敷地の借地権は路線価では8割となっていることから、英国の所有分が多くなるとみられている。来年には交換契約を結ぶ予定。その後、日本の所有分の有効活用を検討する。
現在、国有地にたつ大使館は米国大使館(東京都港区)、スペイン大使館(同)だけ。スペイン大使館については賃料交渉が不調となっており、英国大使館同様の措置がとられる可能性が高い。