訪日外国人1000万人突破も世界33位 「おもてなし」課題

2013.12.20 21:59

 訪日外国人数が1千万人を達成した今年は、政府が平成15年に「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を開始してから10年の節目でもある。観光庁はビザ発給要件の緩和や消費税の免税品目の拡大など、訪日客を誘致する対策を次々と打ち出した。それでも日本はまだ、欧米やアジアの主要国・地域からは後れを取っている。

 20日夕方、東京・銀座の家電量販店ラオックス銀座本店は雨の中、いくつもの高級ブランドの買い物袋を抱えた外国人客でにぎわっていた。主な目当ては高級時計や家電。売り場では、スタッフに熱心に使い方を聞く外国人の姿が目立つ。

 11月末にオープンした同店は外国人スタッフが7~8割を占め、15カ国語に対応、銀座観光も案内するコンシェルジュも控える。「アジアや欧米など世界中のお客さまがいらっしゃいます」と小山修店長。

 JTBは20日、来年の訪日外国人数が前年比14・3%増の1180万人となる見通しを発表した。円安を追い風に、アジアを中心に訪日客が増えるという。政府は訪日外国人数を、東京五輪が開催される平成32年に2千万人に、42年には3千万人まで上積みしようと期待をかける。

 だが、観光庁によると日本の2012年の外国人客数は世界で33位。アジアでも8位に過ぎない。

 韓国は12年に初めて1千万人の大台に乗せた。1990年代後半の通貨危機の後、外貨獲得の狙いもあって外国人客の誘客を本格化。ビザ発給要件の緩和や地方周遊などで取り組みを強化している。韓国観光公社によると、韓国を訪れた外国人客は1~10月の累計で前年同期比9・3%増の約1034万人と堅調だ。

 日本の状況について、日本総合研究所の矢ケ崎紀子上席主任研究員は「やるべきことは多い」と厳しい。

 観光庁が平成23年に行った調査では、外国人が日本で感じる不便さについて「無料公衆無線LANの環境」や英語など「コミュニケーション」の不足、「交通の経路情報の入手」などが上位にあがった。

 大手銀行3行が検討を始めた、海外発行のクレジットカードで現金を引き出せる現金自動預払機(ATM)の設置も要望は高い。

 2020年の東京五輪は、日本を世界にアピールする絶好の機会。ただ五輪後にも日本に訪れてもらえる、中長期的な受け入れ体制づくりが課題となる。

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