【太陽の昇る国へ】報道の自由か、国家の存立か (1/2ページ)

2013.12.13 05:00

 □幸福実現党党首・釈量子

 --中国が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海上空に一方的に防空識別圏を設定したことが国際的な非難を浴びています

 防空識別圏とは国際法上の規定ではなく、領空侵犯に備えるために各国が領空の外側に設定する空域をいいます。しかし、各国が独自に設定できるとはいえ、関係国との事前の協議もないというのは理解できません。

 何より、今回設けた防空識別圏内を航空機が通過する際には中国側に飛行計画の提出を要求し、指示に従わない場合には、「防御的な緊急措置を取る」と表明しています。領空侵犯をしているわけでもない航空機が撃ち落とされるかもしれないというのですから、改めて、「中国は常識の通じない、とんでもない国」だと痛感した方も多いことでしょう。

 --一触即発の事態も考えられますが

 日本政府は民間航空会社に飛行計画の提出を自粛するよう求めていますし、自衛隊機や米軍機は中国への事前通告なく同空域を飛行しています。こうしたことが中国を刺激し、衝突が生じかねないとの見方もありますが、だからといって中国におもねり、腰が引けた対応を見せれば、尖閣諸島を中国領と認めたのも同然です。

 --それにしても、中国の動きはエスカレートする一方です

 2010年の尖閣諸島沖漁船衝突事件における民主党政権の弱腰外交以来、「日本くみしやすし」と中国に侮られているのは、本当に腹立たしい限りです。その後、中国公船による領海侵犯は常態化していますし、ついに尖閣上空に防空識別圏設定という暴挙に出ました。中国が日米の出方をうかがいつつ、「尖閣奪取」に向けて既成事実を積み上げていることは間違いありません。中国は尖閣を実効支配下におけば、その次に沖縄本島を狙ってくるであろうことは想像に難くありません。

 中国は、「戦略的辺疆」という概念から領土問題を捉え、軍事力、国力を背景に、国境を越えて影響力の及ぶ範囲をどんどん広げようとしているのです。07年に米太平洋軍司令官が訪中した際、中国側から、米中による太平洋の分割統治が提案されましたが、中国は本気で勢力圏の拡大をたくらんでいます。

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