平成26年度予算の国の一般会計税収見通しが、50兆円規模になる公算が大きくなった。25年度の税収が約45兆4000億円と、今年1月段階の見積もりよりも2兆3000億円前後上振れすることが29日、判明し、来年度はこれに消費税率引き上げ分の4兆円強などが上積みされるとみられるためだ。
税収が50兆円を超えれば、リーマン・ショック前の19年度の51兆円以来となる。12月下旬に決定される来年度政府予算案の編成作業が進行しているが、税収増加分に対する歳出拡大の圧力も強まることが予想される。一方、29日に出された財政制度等審議会の建議では、財政再建の重要性が強調される中、今後の予算編成では、規模をめぐって激しい議論が展開されることになる。
今年度の税収上振れは、円安などで企業業績が回復し、法人税収が想定を上回るペースで増えたため。消費税率引き上げに伴う景気腰折れ対策として来週決定する経済対策も、当初の5兆円から「数千億円規模での上積み」(政府関係者)になるもようだ。
また、来年度については、民間シンクタンク40社の予測によると、名目国内総生産(GDP)の成長率は約2%となっており、税収は今年度よりも自然増になる見込み。さらに、消費税率引き上げの上積みもあり、全体で50兆円規模まで回復する。このため、今年度の経済対策に向けた国債発行は回避できるほか、来年度の国債発行増額も避けることができそうだ。