2013.11.18 05:00
食の安全を脅かす事件が後を絶たない中国で、注目の「食品安全法改正草案審議稿(改正草案)」が発表され、公開の意見募集が始まった。
食品のネット販売や乳幼児用食品の生産に対する規制強化と違法行為に対する罰則の強化が目玉となった今回の「改正草案」。専門家や業界関係者の反応はさまざまだ。
中国でも現在、淘宝(タオバオ)や京東商城、1号店といった電子商取引プラットホーム上で食品売買が行われているが、食品のネット販売参入のハードルは低く、偽物や「三無食品(製造年月日、製造業者名、品質合格証明のない食品)」などの粗悪品も少なくない。
このため改正草案では、食品を扱う第三者電子商取引プラットホームへの管理監督を強化。プラットホームの運営者に食品生産経営許可証の取得を義務付けるとともに、義務を怠って消費者の合法的権益を損ねた場合、連帯でその損害を賠償する責任を負わせることとした。
つまり、インターネット上で販売される食品に品質上の問題があった場合、オンラインショップの経営者だけでなく、プラットホームの運営者も責任を問われることになった。
これに対し、中国政法大学民商経済法学院の呉景明副教授は「ネット上の商品は実物を確認できないため、消費者が粗悪品や偽物をつかまされるケースが多い。採用されれば消費者の権益保護が進む」と肯定的な見方を示した。