2013.11.11 18:10
東京証券取引所が夜間取引市場の開設について検討に入り、証券会社などの関係者から意見聴取を始めたことが11日わかった。来年3月末までに検討し、ニーズが高いと判断すれば2015年にも開く。
ネット証券は以前から夜間市場開設を求めてきたが、店舗を持つ対面型の証券はコスト増につながるため慎重で、実現するかは微妙だ。
夜間の取引時間には複数の案があるが、日付が変わる前の午後7時~11時半を軸に検討しているもようだ。夜間市場があれば、サラリーマンが仕事を終えた後にインターネットで取引できるほか、時差のある海外投資家も取引機会が増える。夜間の分が加わるため一日当たりの売買も増え、東京市場の存在感が高まる可能性がある。
しかし、対面販売に力を入れる証券会社からみると、夜間も店舗を開けて顧客対応する必要に迫られ、コスト増につながりなかねない。夜間はネット証券に顧客が流れやすいとの判断からも、反対する可能性がある。調査・分析部門の負担も増すことから、これまでも慎重な意見が多かった。
東証は11年にも取引時間を見直したが、夜間市場には否定的な意見が多く、昼休みを短縮するにとどまった。関係者は「様々な意見を聞いてニーズを見極めたい」としている。
ネット証券大手の松井証券は11日、東証を傘下に持つ日本取引所グループに対して、夜間市場の開設要望書を提出すると発表した。同社は03、04年にも要望書を出している。