北京市の水不足が危機的状況に陥っている。南部の水資源を北部地域に運ぶ「南水北調プロジェクト」は、2008年に北京区間が完成。河北省の4つのダムから取水も始まっているが、それでも改善の兆しは見えない。
加えて「北京では、7月31日に1日平均配水量が過去最高となる294万1000立方メートルを記録。8月26日には298万立方メートルに達し、再度最高記録を更新した」(北京市水道水集団のスポークスマン、梁麗氏)。
中国水利水電科学研究院水資源所の王浩所長の言葉を借りれば「北京の水不足は、世界中の水不足関連の報道をもってしても描写しきれないほど深刻」なのである。
国際基準に満たず
北京市は1人当たりの年間最大利用可能水資源量が100立方メートルにも満たない。これは「絶対的な水不足」とされる国際基準の500立方メートルを大きく下回る数値だ。