コメ補助金、大規模農家に 政府・与党検討、中小には新交付金

2013.10.25 23:43

 政府・与党は25日、コメの生産調整(減反)に協力した農家に支給する補助金の交付先を大規模農家に限定する方向で検討に入った。北海道で作付面積10ヘクタール以上、他の都道府県で4ヘクタール以上の農家とする案が軸になる見通し。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の妥結を視野に、農業の競争力強化につなげる。一方で、新たな交付金制度「日本型直接支払い」を創設し、中小・零細農家の農地維持を支える方向だ。

 補助金の根拠になっている経営所得安定対策を見直す法案を来年の通常国会に提出する方針。林芳正農林水産相は25日の記者会見で、民主党政権が導入した経営所得安定対策(旧戸別所得補償制度)について「自民党が『ばらまきではないか』と主張していたことなどを前提に見直しを議論する」と述べた。

 コメ農家への補助金には、作付面積10アール当たり1万5千円の定額部分と、コメ販売価格が生産コストを下回った場合の差額を補う変動部分がある。政府・与党内では、農家の作付面積を基準に定額部分の交付先を絞り込む案が浮上。そのうえで支給額を減らしたり、変動部分を廃止することも検討している。

 自民党が25日に開いた農林部会などの合同会議でも、支給水準を維持すべきとの意見が出る一方、農地の大規模化など生産性向上につながる仕組みづくりを促す声が上がった。

 政府・与党は、補助金が断たれる農家への打撃を日本型直接支払いの導入で緩和する構え。直接支払いは中山間地の農地保全など地域での役割が大きい農業を維持するため、単位面積ごとに一定額を支給する方向で調整が進む見通しだ。

 一方、政府は同日、小さな田畑や耕作放棄地を集約して農家に貸し出す「農地中間管理機構」の設置法案を閣議決定した。臨時国会に提出し、平成26年度の運用開始を目指す。

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