【太陽の昇る国へ】混迷シリアがあぶり出す米国の退潮 (1/3ページ)

2013.9.27 05:00

 □幸福実現党党首・釈量子

 --シリアでは2011年から内戦が続いていますが、情勢は混沌(こんとん)としています

 シリアではアサド政権による民間人の虐殺が行われ、10万人を超える犠牲者が出ており、200万人もの難民が周辺国に逃れました。米国は、アサド政権が首都ダマスカス近郊で化学兵器を使用したと断定。8月下旬には軍事介入に踏み切る姿勢を示し、一触即発の事態となりました。

 --軍事行動の目的は、アサド政権の転覆ではなく、懲罰的な空爆とされていましたが

 8月末、米国と行動を共にするとみられていた英国が、議会で軍事介入の動議を否決。その後、米政府が軍事介入の是非について議会に判断を委ね、承認を求めている最中、ロシア側からシリアの化学兵器を国際管理下に置いて廃棄するという提案がなされます。米露合意により、当面の軍事行動は回避されることになり、迷走していたオバマ大統領にとっては、渡りに船の提案だったことでしょう。

 外交交渉や国連の枠組みで化学兵器の放棄が実現するのなら結構ですが、多数の犠牲者を出したアサド政権を延命させることが、果たして国際正義にかなうのか疑問です。やはり米国は、軍事行動の選択を排除してはなりませんし、もっと早い段階でシリアに介入すべきだったと思えてなりません。

 --9月10日、オバマ大統領は米国民に向けて演説を行い、「米国は世界の警察ではない」などと表明しました

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