こうした状況を改善するため、連立与党と政府は貧困層向け穀物配給を現在の3億1800万人から8億1000万人に引き上げる食糧安全保障法の成立を目指し、7月には閣議で了承した。
しかし、同国政府が農家から穀物を買い上げる価格は年々上昇しており、輸送・貯蔵費用と合わせた巨額の財政負担が問題視されているほか、配給制度自体が不正の温床だという声もあがる。
配給の効率的な実施にはこうした問題の解決に加え、さらに輸送・貯蔵インフラを充実させて廃棄を減らすことが必要不可欠となる。総人口の約7割に食糧を配給する野心的な新制度が確実に機能するまで、インド政府にとっては険しい道のりが待ち構えているといえそうだ。(ニューデリー支局)