モスクワで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は20日午後(日本時間20日夜)、世界経済が減速する中で「成長の強化と雇用の創出が短期の優先課題」と明記した共同声明を採択し、閉幕した。米国が年内にも始める量的金融緩和の縮小に関しては新興国への影響を配慮し、金融政策変更時に中央銀行の明確な説明を求めたほか中国を念頭に「影の銀行(シャドーバンキング)」問題について規制・監視の強化を期待すると明記した。
米の緩和縮小に懸念
声明は世界経済に関し、新興国経済の減速で「回復はなお脆弱(ぜいじゃく)でばらつきがある」と指摘。新興国には経済の自立に向け、構造改革を求めた。
また、米国の金融緩和縮小をにらんだ資金流出が意図せざる「負の副作用を与えることに留意する」と指摘。米国をはじめ各国の金融政策は緩和の副作用にも配慮することになった。
一方、経済協力開発機構(OECD)が19日発表した多国籍企業の「課税逃れ」防止の行動計画を全面的に支持。「影の銀行」問題で、各国はG20開幕直前に中国政府が貸出金利の下限撤廃を発表した改革姿勢は評価した。