2013.7.9 06:00
内閣府が8日発表した6月の景気ウオッチャー調査は、街角の景気実感を示す現状判断指数が前月比2.7ポイント低下の53.0となり、3カ月連続で悪化した。景気の基調判断について、3月から5月の「持ち直している」から「持ち直しのテンポが緩やかになっている」へと8カ月ぶりに下方修正した。株価や円相場の乱高下が個人消費に冷や水を浴びせた形になったが、企業では円高是正の恩恵も徐々に出始めている。
6月に入ってから日経平均株価が一時1万3000円台を割り込んだことや為替も1ドル=94円台まで円高に振れるなど大きく変動したため、高額品を中心に牽引(けんいん)してきた個人消費が抑えられ、景気回復の期待感に水を差した形となった。家計の景気の現状については「今月は先月や先々月に比べて客の動きが悪い」(九州・タクシー運転手)や「主力の衣料品、特にクールビズ関連の販売が悪い」(北関東・百貨店)といった声が聞かれた。
一方、企業の景気の現状については「支社のリース車を入れ替えるなど地方大都市にも景気上昇の気配が表れ始めている」(東北・乗用車販売店)や「自動車産業で少し先の見通しが立ち生産も増えていく傾向」(東海・金融業)と景気回復が広がるという期待感が強い。
一方、2~3カ月先の景気見通しを示す先行き判断指数は前月比2.6ポイント低下の53.6で2カ月連続で悪化した。内閣府は「(現状と先行きの)指数は依然高水準で景気回復の基調は変わっていない」としている。