2013.7.14 07:00
【上海摩天楼】
さまざまな製造業が、労働力不足や賃金高騰による大幅なコストアップに直面している中国で、生産工程の省力化装置や産業ロボットなど自動化ビジネスが注目を集め始めている。
「中国の工場でこれまで従業員30人の目視に頼ってきた電子部品の外観検査工程を、これでそっくり置き換えられる」
大阪市に本社を置く中堅機械メーカー、ヤマトの永田公二会長は、農村が広がる安徽省舒城(じょじょう)県で6年前に設立した自社工場で、日系電子メーカー向けに近く出荷する最新の省力化装置をみせながら、こう話した。
この外観検査機の場合、装置の価格は約125万元(約2000万円)。一方、30人の人件費は社会保障費も含め、合計約150万元。1年で元がとれる計算だ。「ここ1、2年で人件費が製造現場の自動化装置の価格を上回り始めており、その開きは加速度的に広がっている」という。しかも沿岸部では、農村からの出稼ぎ労働者(農民工)が集まりにくくなっている。
このため同社では「(反日デモが起きた)昨年秋は低迷した装置の受注も、今年4~6月では昨年同期に比べ2倍のペースで伸びている」という。