そして「(ハリウッドの映画会社は)小粒でも個性的で深みがある作品より、話題や注目を集めやすい(安直な)娯楽大作に2億5000万ドル(約242億5000万円)の製作費を投じることを重視している」と指摘、商業主義に走りすぎる姿勢を批判しました。実際、いまのハリウッドでは、同性愛が題材の作品などは金融機関やファンドなどから融資が受けにくいといいます。
さらに「今のハリウッドは若い作り手たちの(斬新な)アイデアを亜流扱いしている。これは大変危険なことだ。(そのせいで)いずれ内部崩壊か大きなメルトダウンが起きるはずだ。3作か4作、あるいは6作ほどの娯楽大作が立て続けに商業的大失敗を記録し、大きなパラダイムシフトが起きるはずだ」と訴えました。
そのうえで、将来は、巨額の製作費をかけた大作と小規模の作品では入場料が異なるようになると予想。「『アイアンマン』のような大作には25ドル(約2400円)、(私が手がけた)『リンカーン』のような(小・中規模の)作品だと7ドル(約660円)というような状況が起こるだろう」と明言しました。
一方、ルーカス監督も「映画よりいまはケーブルテレビ(のドラマ)の方がはるかに冒険的だ」と話し、ハリウッドが極度の大作重視に傾いた結果、没個性に陥ったとの考えを強調。