フィリピンでは水道の普及が順調に進む一方、水質の改善や洪水への対策が課題に浮かび上がっている。今後は課題解消に向け、建設業などを巻き込んで水事業が拡大していきそうだ。現地紙マニラ・タイムズなどが報じた。
同国の国家統計調整委員会によると、現在、フィリピンの上水道の世帯普及率は84.8%に達したもようだ。同委員会は、国連がミレニアム開発目標で各国に2015年までに求めている目標値86.8%は達成できると自信をみせている。
しかし、同国では水道をめぐる利便性の格差や、洪水対策の不備など、水関連の課題が山積しているのが現実だ。アジア開発銀行(ADB)が今年3月に発表したアジア太平洋の49カ国・地域の水に関する報告書で、フィリピンは総合評価が5段階で2の低評価に沈んだ。
5項目をそれぞれ5段階で評価する分野別評価では「産業用水」だけが4と高評価だったものの、「生活用水」「河川環境」「水災害への耐性」が2、「都市の水事情」が1と厳しい評価を受け、対策が急を要する国として名指しされた。