昨年11月中旬からの株価上昇で高まった個人投資家の投資意欲に、変化の兆しが見えてきた。海外の機関投資家主導の大幅下落が続き、さらに証券会社から株や資金を借りて行う「信用取引」で多くの投資家が痛手を負ったからだ。今後個人の買いが鈍れば株価が下支えを失い下落圧力が強まる懸念がある。
3日の日経平均株価は、取引終了間際に下げ幅を拡大。5月下旬以降の急落と同様、海外投資家とみられる大口の売りが入ったようだ。カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは「個人投資家は困惑しており、買い意欲が弱くなってきている」と指摘する。
1134円安と大幅下落となった23日を含む5月第4週(20~24日)の売買状況は、東京証券取引所の集計によると、海外投資家が3週ぶりの売り越しに転じた一方で、個人は4080億円の大幅買い越しだった。下がっているときに買って値上がりを待つ個人特有の逆張りの投資行動によるものとみられる。