しかし25年度税制改正で上限額が年間800万円に引き上げられた上、全額を損金算入できるようになった。下村昇治税理士は「仕事をとるために営業を活発化させる企業にとって改正は追い風」と話す。
もっとも、国内の個人金融資産に占める有価証券の比率は約13%にすぎず、今のところ株高の恩恵を受ける飲食店は、一部の高級店などにとどまる。
全体は1~2年後
大阪を代表する繁華街・北新地(大阪市北区)の老舗バー「ダナ」。創業40年の歴史を誇る趣あふれる店内は、平日でも客足が絶えない。だが、北新地の情報提供サービスを行う「キック」の今井利充社長(65)は「人通りは倍増しているが、客足は安い居酒屋に流れている」と危機感を口にする。上客としてならしたパナソニックやシャープなどが軒並み業績を落とし、「交際費が増えることはない」(家電大手)。
設備関連の企業を経営する男性(65)は「大阪全体に効果が波及するのは1~2年後。自分だって、会社や社員がもうかってから接待する」と、静かにグラスを傾けた。